不動産登記簿の見方
不動産登記簿は、従来は登記用紙に墨で記入されたものであり、土地・建物別に、土地は地番順に、建物は家屋番号順に編綴されており、その証明書は「登記簿謄本」と言われていました。しかし、登記のコンピュータ化がされた登記所が増えてきており、そこにおいては登記事項はコンピュータの中に電子的に記録されており、直接は見ることが出来ません。この場合の証明書のことを「登記事項証明書」と言います。
ここでは「登記事項証明書」について、その見本によって説明します。
1.土地登記事項証明書
表題部 (土地の表示) | 調製 平成7年11月22日 | 地図番号 | 余白 | ||
所在 | 徳島市眉山町五丁目 | 余白 | |||
1 地番 | 2 地目 | 3 地積 u | 原因及びその日付 | 登記の日付 | |
42番5 | 宅地 | 287.05 | 42番1から分筆 | 昭和60年2月3日 | |
余白 | 余白 | 余白 | 余白 | 昭和63年法務省令第37号附則 第2条第2号の規定により移記 平成7年11月22日 |
甲 区 (所有権に関する事項) | ||||
順位番号 | 登記の目的 | 受付年月日・受付番号 | 原因 | 権利者その他の事項 |
1 | 所有権移転 | 平成4年5月20日 第13523号 | 平成4年2月15日相続 | 所有者 徳島市城西町2丁目8番地 徳 島 太 郎 順位3番の登記を移記 |
余白 | 余白 | 余白 | 昭和63年法務省令第37号附則 第2条第2号の規定により移記 平成7年11月22日 | |
2 | 所有権移転 | 平成9年7月2日 第19640号 | 平成9年7月2日売買 | 所有者 徳島市眉山町五丁目3番7号 四 国 三 郎 |
乙 区 (所有権以外の権利に関する事項) | ||||
順位番号 | 登記の目的 | 受付年月日・受付番号 | 原因 | 権利者その他の事項 |
1 | 抵当権設定 | 平成10年3月12日 第7823号 | 平成10年3月12日 金銭消費貸借 同日設定 | 債権額 金700万円 利息 年3.3パーセント 損害金 年15.5パーセント 債務者 徳島市眉山町五丁目3番7号 四 国 三 郎 抵当権者 東京都文京区後楽一丁目4番10号 住宅金融公庫 (取扱店 吉野川銀行徳島支店) 共同担保目録(に)第3456号 |
これは登記簿に記録されている事項の全部を証明した書面である。 平成14年9月17日 徳島地方法務局 登記官 法 務 太 郎 印 * 下線のあるものは抹消事項であることを示す。 |
【解説】
登記簿は、表題部、甲区、乙区からできています。甲区や乙区は、記載事項がなければ作製されませんので、乙区のないものや、甲区・乙区共にない登記簿も存在します。なお、甲区・乙区については、司法書士の業務範囲です。
- 表 題 部 :
- 土地の物理的状況を明らかにする部分です。土地家屋調査士は、表題部の新設・変更・抹消に関連する業務を行います。
- 所 在 :
- 土地の存在する市町村の行政区画です。
- 地 番 :
- 登記所が地番区域ごとに起番して定めた1筆の土地の番号です。「番」の字の前の数字を「元番」又は「親番」といい、後の数字を「支号」又は「枝番」と呼んでいます。土地を分筆した場合には、元番は変えずに使用されていない最小の「支号」を付します。
- 地 目 :
- 土地の現況及び利用目的によって定められる名称で、その主たる用途により、田、畑、宅地、雑種地、公衆用道路、用悪水路などに分類して記載します。
- 地 積 :
- 1筆の土地を囲む境界線を一定の基準面に水平投影してできた区画の面積を、平方メートル単位で整数位まで表示したものです。ただし、宅地や10平方メートル未満の土地は、小数第2位まで表示します。
- 所 有 者 :
- 土地について初めて登記される場合には、所有者欄が設けられ、そこに所有者の住所氏名が記載されますが、以前から登記があった場合には記載はありません。
- 甲 区 :
- 所有権や所有権に関する仮登記、差押等の登記が記載される部分です。
- 乙 区 :
- 抵当権、地上権、賃借権等の登記事項が記載されます。